保育とは何かを明白にした一言

社会人になって初めての面接の時です。私は保育系の短大を卒業し、そのまま保育士の面接を受けていたのですが、男性保育士はまだまだ数が少なくて狭き門でした。面接の時にはなぜ男性で保育士になろうと思ったのか、保育士としてずっと続けていくのか等、男性ならではの質問を投げかけられることが多かったです。

1~3つの園を受けましたが中々採用されず、それでも保育士になりたいという気持ちを諦められず4つ目の園を受けることにしました。それまでの園では似たような質問が続いていたのですが、その園はたった一つ他の園とは違う質問をされました。それが「あなたが保育士としてうちに来てくれることになったら、どういった保育をしたいですか?」といったものでした。

その時に私が言った答えに園長先生と主任の先生にほ~と声を上げて感心され手応えを感じました。そして見事採用していただけることになりました。その言葉が「保育と教育の違いをしっかりと理解した保育をしたいです」でした。その後も園長先生はこの言葉にとても興味をもたれたようで「具体的に保育と教育の違いはなんですか?」と聞かれたりと、その言葉が決め手になったのは明らかでした。先ほどの質問にも「保育とは…教育とは…」を具体的に説明し、その内容にも納得していただけたようで、こちらでも手応えを感じることか出来ました。

その数年後、その園を退職してしまい別の園に行くことになったのですが、質問された訳ではありませんが、同じような回答を自ら発言したところ、こちらでも園長先生が興味を持ってくださり、無事に採用していただきました。「保育と教育の違いをしっかりと理解した保育をする」というワードが私の面接時の成功の言葉となりました。

しかし、この言葉だけでは不十分だということも分かっていたので、その後の「保育とは…教育とは…」といった説明もしっかりできることが大切だと思います。それだけでなく、実際採用されたらきちんと自分が言ったことを実行していくことも大切です。また、この言葉があったからこそ自分の仕事のベクトルがブレないでいられる事実もあるので、自分にとっての教育方針でもあります。

最初の園で園長先生にお答えした解答は「保育は子供が主体の生活の中で成長を促すこと。教育は決められた期間の中で到達しなければいけない課題を、子供たちがきちんと習得できるように援助する」でした。保育と教育という線引きが難しい内容にあえて挑み、きちんと説明できることが面接での成功につながったと思っています。保育の面接は一般企業の面接とは異なり、基本的に園長先生と主任の先生しか面接官としていないので、質問される数は限られていますが、その分専門的なことや深く切り込んだ質問をされたりするので、どのようにして二人の関心を引くかということが大切になってきます。

しかし、どんな面接官も同じですが、長々と話をするものマイナスイメージになるので、なるべく短い言葉でまとめなければいけないと思い出てきた言葉です。これ以外にも先生方の興味を引くことができた解答としては「男性にしか出せない強さを見せた保育をする」や「他の先生(女性)には優しさを教えられていると思うので、私は(男性保育士として)強さを教えていきたいと思います」などがありました。やはり、男性としての自分ができることや、他の先生が考えつかないことを発言することが大切だと思いました。その場の思いつきではなく、自分がきちんと実行できること、目標としていることを素直に、且つ短い言葉で伝えることを意識して頭を捻れば、きっと面接官を納得させる言葉、手応えを感じる一言が自然と出てくると思います。